タンデム学習では学習者自身が学習目的に合わせて、何をどのように学習するかを決めますから、学習内容や方法は実に様々です。アイデア次第で色々な学習が可能です。参考までに、これまで私が企画したタンデム学習の実践で行われた学習のアイデアを紹介します。
1. 自分のことについて話す
パートナーと互いの興味や好奇心に合わせて、話したいことを話す。
【例】:
◆趣味や家族、週末の出来事、専門分野、アルバイト、行ってみたい場所等について話す。
◆自分の目標言語の学習経験について話し、難しいところをパートナーと共有する。
2. 情報を交換する
パートナーを文化の情報提供者として、お互いの知りたい文化的あるいは社会的な情報について交換する。
【例】:
◆互いの国に旅行に行くとしたら、おすすめの場所はどこかを説明する。
◆互いの国で人気がある本や映画、音楽等を紹介し合う。
3. 互いの視点を引き出しディスカッションする
ある特定の事柄について個人の態度や意見を交換したり、議論したりする。
【例】:
◆目標言語で書かれた新聞や雑誌を読んで、パートナーに感想を言う。
◆ある社会問題についてそれぞれの国の状況を説明し、それについてどう思うかについて議論したり、一緒にその原因を考えたりする。
◆衣食住、マナー、人間関係等、それぞれの国で異なる点について話し合う。
4. プロジェクト型の活動
パートナーと協力して何かを作り上げる。
【例】:
◆目標言語で自分の大学を紹介するビデオを作成する。
◆二人でカラオケに行って目標言語で歌を歌えるよう準備する。
5. 言葉やコミュニケーションについて話す
パートナーと言語・非言語行動コミュニケーションを話題にやり取りする。
【例】:
◆自分の国での流行り言葉を取り上げて、その言葉の意味や使い方、背景について説明する。
◆自分が好きなことわざを紹介し合う。
◆目標言語で書かれた漫画を一緒に読んで、面白い表現やユーモアを学ぶ。
6. レポートやプレゼンテーションを手伝う
学習者が目標言語で完成させたいレポートやプレゼンテーション等をパートナーが助ける。
【例】:
◆目標言語での学会発表のリハーサルをし、表現をチェックしてもらったり、よく使うフレーズを教えてもらったりする。
◆目標言語でお礼の手紙を書く際に、手紙の書き方やその内容について教えてもらう。
7. 疑問に思ったことについて教えてもらう
目標言語・文化について、疑問に思ったことをパートナーに尋ねる。
【例】:
◆聞いてわからなかった音声をスマホで録音しておき、パートナーに聞いてもらい、ゆっくりリピートしてもらう。
◆新聞記事や小説を読んで、理解できなかったところについて教えてもらう。
◆理解できなかった態度や行動についてパートナーに尋ねる。
8. パートナーに訂正してもらう
自分が書いたものや発音などを訂正してもらう。
【例】:
◆目標言語で書いたレポートや日記等をパートナーに訂正してもらう。
◆文章を音読して、発音がおかしなところを指摘してもらう。
◆自分の苦手な文法を使って文作し、正しいかどうチェックしてもらう。
9. 新しく習った言葉や文法を使う
授業や自習で学んだ新しい言葉や文法をパートナーとの会話で練習する。
【例】:
◆語学の授業で新しく習った文法や言葉を使って会話する。
◆ラジオ講座のテキストにあるスキットを利用して、ロールプレイをしたり、そのテーマに沿ってさらに自由会話を展開する。