ベトナム国家大学ハノイ校 レー アイン トゥ
コロナウイルスが世界中で猛威を振るっている時期に、私は運よく日本政府が入国制限措置を緩和したわずかな期間に来日できた。疫病で色々と大変な状況の中、異国で勉強や生活をすることは忘れられない貴重な体験となった。
コロナで今年の授業はオンライン式で実施せざるを得なくなった。今までは、先生や友達と直接会えないので、オンライン授業は退屈で効果があまりないと思い込んでいた。しかし、JLCCの授業に参加した後、気付かないうちに、そういった偏見はなくなった。困難な状況にもかかわらず、授業はいつも楽しい雰囲気の中で行われていた。オンラインで勉強することで、対面授業よりも先生とやり取りしたり、自分の意見を述べたりする機会が多かった。そのおかげで、日本の文化や社会について多くの有益な知識が習得ができた。その上、いろいろな国から来た留学生と触れ合い、彼らが持っている観点と価値観に耳を傾けることも非常に興味深かったと思う。遠隔授業は地理的に離れても、パソコンの画面でしか見られなくても、先生や友達の温かさ、優しさはいつもそばにいるかのように感じ取れる。それは私が大切にしている気持ちであり、コース修了までたどり着く原動力となった。
今年は疫病のため、楽しみにしていた交流や体験活動も開催できなかった。それは本当に残念なことであった。しかし、自分なりに日本を眺めるきっかけとなった。伊都キャンパスは確かに田舎で、不便なことは多少あるけれど、日本の典型的な平穏な田舎で、歩き回って、新鮮な空気を楽しんだり、自然に恵まれた美しさを見たりするのは素晴らしかった。さらに、九州も私のような外国人にとって魅力に溢れているところだった。江戸時代外国との交易が盛んであった長崎県や世界最大級のカルデラを持つ阿蘇で有名な熊本への旅はクラスで学んできた知識を深めたばかりでなく、地元の文化に触れ、体験する良い機会でもあった。今でも、その楽しかった旅は強く印象に残っている。それは教科書やインターネットだけで学んでも、身につけられないものだろう。
私にとって、この1年間の日本留学は簡単な一年ではなかったけれど、人生で心に残る貴重な経験となった。九州大学で得た知識や体験はきっと私の今後の糧となるはずであると信じている。最後に、心から九州大学、先生方、JLCC生に深いお礼の言葉を送りたいと思う。この一年間、大変お世話になり、誠にありがとうございました。
能古島にて
長崎にて
糸島の雷山千如寺大悲王院にて